武沢昌英
環境省は、国の天然記念物・シマフクロウの保護増殖事業の一環で実施している標識調査で、今年度は37羽のひなを確認した。2019年度の36羽を上回り、1985年度の調査開始以来で最多となった。
シマフクロウは北海道や北方領土に分布する日本最大のフクロウ。調査は同省の北海道地方環境事務所、釧路自然環境事務所が5月17日~7月2日に実施。道東を中心に繁殖に適した場所に設置している巣箱と、天然木にできた巣の合計28カ所を調べ、37羽のひなに標識をつけた。確認された場所は振興局別では、根室16、釧路8、オホーツク5、十勝4、上川3、日高1。
標識をつけることで、個体の識別や性別、繁殖状況などを継続して調査できる。85年度以降に標識をつけたシマフクロウは累計658羽。
警戒心の強いシマフクロウを守るため、環境省は巣の詳しい位置などは公表していない。釧路自然環境事務所は、「生息数は限られており、もし巣箱を見つけても不用意に近づかないでほしい」と呼びかけている。(武沢昌英)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル